1st ソロアルバム 「クラルサッハ」

800×800

アイルランドのハープ音楽収集家エドワードバンティングがすでに数少なくなっていたハープ奏者を訪ねて曲を採集し出版した楽譜集から18世紀以前ハーパー達によって演奏されていた曲を集めた1stソロCD。使用したハープは現存する最古のケルティックハープの1つである15世紀クイーンメアリーハープのレプリカ。

宣伝コピーより
18世紀以前のアイルランドのハープ音楽を集めて編纂したEdward Bunting の楽譜から選曲した珠玉の10曲。14世紀の現存する最も古いブライアンボルーハープと同じタイプのハープを使い可能な限り当時の音色を忠実に再現したその響きは、だんだんと透明になっていく水面の様に聴く人の心を癒していく。

発売 バイオスフィア・レコード
販売 パイオニアLDC

現在オフィシャルネットショッブ ケルティックハープマーケット にてダウンロード配信中です。

制作秘話なども載っているクラルサッハのHPは こちら

 

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全曲1分前後の クロスフェード音源 アップしました。

●Wild Geese~Pipers Dance  PV

クラルサッハ発売20周年記念ライブより Bridget Cruise ~ Planxty Irwin 

01  Brian Boru’s March
02  Planxty Irwin
03  Open the Door Softly
04  O! White Maive
05  Irish Jig ~ Duish The Cat
06  Joice’s Tune
07  Princess Royal
08  Bridget Cruise
09  Wild Geese~Pipers Dance
10  Irish Lullaby

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【収録曲解説】

01 Brian Boru’s March
現在まで伝えられている曲の中でも最も古い曲の1つ。タイトルは11世紀のアイルランド王の名前に由来する。

02 Planxty Irwin
18世盲目のハープ奏者 Turlough O’Carolan の作品。友人の将校 Colonel Irwin が手柄を立てたのを祝って贈った曲。バンティング1809年の楽譜集より。

03 Open the Door Softly
バンティング1840年の楽譜集より。ベルファーストのハープ音楽祭にも出場したハープ奏者 Arthur O’Neil より採譜。

04 O! White Maive
バンティング1840年の楽譜集より。現在の北アイルランドの Armagh 地方にて1780年採譜。

05 Irish Jig / Huish the Cat
バンティング1840年楽譜集より。Irish Jig は1793年北アイルランドの Ballymoney という町で、Huish the Cat はハープ奏者 Charles Byme より1802年に採譜。

06 Joice’s Tune
Joyce’s Country Greeting というタイトルでも知られ、アイルランド西部にある地域の名前がついている。バンティング1796年出版。

07 Princess Royal or Miss MacDermott
現在2つのタイトルで知られている O’Carolan の作品。バンティング1840年出版。Arther O’Neil より1800年採譜。

08 Bridget Cruise (4th Air)
O’Carolan が初恋の女性 Bridget の為に作った曲で、現在4曲が残されている。

09 Wild Geese / Piper’s Dance
Wild Geese とは他国軍に加わってイングランドと戦ったアイルランド兵士たちの事。ハープ奏者 Patrick Quin より1803年採譜。
Piper’s Dance は Kiss me Lady のタイトルでも知られており、1779年バクパイプ奏者 McDonnel から採譜。1840年の楽譜集より。

10 Irish Lullaby
Is Im Agas Eiriu というゲール語のタイトルもついている。バンティング1809年出版の楽譜集より。

 無題

[CDライナーノーツ】

“Clarsach” この言葉はゲール語(ケルト民族の言葉)で「ハープ」を意味します。ハープはアイルランドの公式紋章とされているほど民族の象徴的な意味を持つと共に、古代ケルト時代より魔法の力が宿ると信じられてきました。
中世のハープ奏者達は王や部族の長に仕え、いにしえの伝説や叙情詩を語り、とても高い地位が与えられていました。後にハープを持って国中を旅し、貴族などの為に賛美の詩を作り唄うという吟遊詩人の伝統が18世紀までにアイルランドにはありました。

このCDに収録している全ての曲は、少なくとも18世紀以前にハープ奏者達によって演奏されていたものと推測されますが、その根拠はアイルランド民族音楽の収集家エドワード・バンティングにあります。18世紀末、すでに失われつつあったアイルランドのハープの伝統を守る為、1792年ベルファーストでハープ音楽祭が開催されました。全国に出演者を呼びかけましたが結局11人しか集まらなかったそうです。
その音楽祭以降ハープ奏者達が演奏した曲を書き留める事を任じられた彼は、アイルランド各地を旅して、当時すでにかなり減りつつあったハープ奏者達を訪ねて曲の採集を続けそれらの楽譜を出版しました。しかし彼はせっかく集めた貴重な曲を、当時のハープでは演奏不可能な鍵盤楽器用に編曲して出版してしまいました。その為現在バンティング本人に関しては評価の分かれるところです。

このCDにはそのバンティングの楽譜から8曲収録されていて、それらの曲を演奏する際に彼が厚化粧をしてしまった部分を、極力本来の旋律だと推測される形に戻し、そこに自分なりの薄化粧を施すという作業をしています。中にはほとんどすっぴんのまま演奏しているものもありますが、それはそれで十分美しいと判断した結果です。

なお今回演奏に使用したハープは、スコットランドのハープ製作者ティム・ホブロウが作った、柳の樹の胴体に真鍮の弦を張った14,15世紀の通称「ブライアンボルーハープ」又は「クイーンメアリーハープ」と呼ばれているもののレプリカです。

ケルティックハープ奏者    坂上真清

 

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